健康診断で指摘された方・要再検査の方へ

健康診断の結果で「再検査」や「精密検査」という判定が出ると、どなたでも少なからず不安を感じるものです。
健康診断の数値は、その日の体調や食事、あるいは個人の体質によって一時的に変動することがよくあります。
再検査を行うのは、その異常が一時的なものなのか、あるいは何らかの対策が必要なサインなのかをはっきりさせるためです。
一方で、異常を放置してしまうことは、本来なら防げたはずの病気を重症化させてしまう最大のリスクとなります。自覚症状が出てからでは、治療に長い時間を要したり、生活に制限が出てしまったりすることも少なくありません。
健康診断を「受けて終わり」にするのではなく、その後の精密な検査や治療までをセットで考えることが重要です。
当院では健診結果に基づき必要に応じた検査や治療など専門的なアドバイスを行い、皆さまの健康管理をサポートいたします。
少しでも不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
以下のお困り、お悩みはございませんか?
- 健康診断・人間ドックで数値の異常を指摘された
- 要経過観察・要精密検査の結果が出たので、定期的に検査を受けたい
- 異常がでた検査項目が何か分からない
- 数年前の健康診断の異常を放っておいたままにしている
血圧
血圧測定は、循環器系の健康状態を把握するための最も基本的な検査です。
収縮期血圧(最高血圧)と拡張期血圧(最低血圧)のどちらか一方でも基準値(140/90mmHg)を超えている場合、高血圧として治療や生活指導の対象となります。
日本高血圧学会のガイドラインでは、診察室血圧が120/80mmHg未満を「正常血圧」としていますが、これを超えて139/89mmHgまでの範囲にある方も、将来的な発症リスクを抑えるために早期の生活習慣改善が推奨されています。
血圧は緊張や体調、測定環境によって変動しやすいため、健診で高い数値が出た場合は、医療機関への相談と併せて、家庭での継続的な血圧管理が重要です。数値に異常が見られた際は、放置せずに適切な診断を受けるようにしてください。
心電図
心電図検査は、心臓のポンプ機能をコントロールしている電気の流れをグラフ化し、心臓の健康状態を評価する検査です。
この波形を見ることで、脈のリズムが乱れていないか(不整脈)、心臓の筋肉に負担がかかっていないか(心肥大や心筋虚血)などを調べます。
健診結果に記載される所見には、体質的な変化で心配のないものも含まれますが、中には精密検査が必要な重要なサインが隠れている場合もあります。
特に、自覚症状がなくても波形に一定の変化が見られる場合は、より詳しく調べるために「心エコー検査」や「長時間心電図(24時間~最長14日間)」を行うことが推奨されます。
もし判定が基準から外れていた場合は、ご自身の心臓の状態を正しく把握するためにも、循環器内科を受診して専門医の診断を受けるようにしましょう。
血糖値、ヘモグロビンA1c(HbA1c)
血糖検査は、体内の糖代謝が正常に行われているかを評価し、糖尿病の早期発見やリスク把握を行うための重要な指標です。
一般的に空腹時血糖値が126mg/dL以上、または随時血糖(時間問わず)200mg/dl以上、さらにHbA1cが6.5%以上の場合には、糖尿病が強く疑われます。
特にHbA1cは、赤血球中のヘモグロビンと糖が結合した割合を示しており、過去1〜2ヶ月間の血糖コントロール状態を反映するため、一時的な変動に左右されない安定した指標として用いられます。
血糖値が基準値内であっても、HbA1cが「境界型(6.0〜6.4%)」に該当する場合は、将来の発症リスクが高いため注意が必要です。
高血糖の状態を放置すると全身の動脈硬化を進行させる要因となるため、判定が「要経過観察」や「要再検査」となった際は、速やかに医療機関を受診し、適切な指導を受けることが推奨されます。
コレステロール(LDL・HDL)、中性脂肪
脂質異常症の診断において、LDL・HDLコレステロールおよび中性脂肪の数値は極めて重要な指標となります。
一般的に、LDL(悪玉)が140mg/dL以上、HDL(善玉)が40mg/dL未満、あるいは中性脂肪が150mg/dL以上の場合に脂質異常と判定され、動脈硬化を進行させる要因となります。
特にLDLコレステロールが高い状態や、中性脂肪が高くHDLが低い状態が継続すると、血管壁にプラークが形成され、心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクが増大します。
中性脂肪は食事の内容や飲酒、運動習慣の影響を強く受けやすいため、数値に異常が見られる場合は生活習慣の抜本的な見直しが必要です。
健診の結果、基準値から外れている場合は、将来的な血管事故を未然に防ぐためにも、医療機関での精密検査や栄養指導を受けることが推奨されます。
尿酸値(UA)
尿酸値(UA)は、プリン体の代謝産物である尿酸の血中濃度を測定する指標です。
日本痛風・尿酸核酸学会のガイドラインでは、性別を問わず7.0mg/dLを超える状態を「高尿酸血症」と定義しています。
尿酸値が高い状態を放置すると、関節内での尿酸結晶の沈着による痛風発作を招くだけでなく、慢性腎臓病や動脈硬化、心血管疾患のリスクを高める要因となることが明らかになっています。
また、尿路結石の形成にも深く関与しています。数値が基準を超えている場合は、自覚症状がなくても内科等を受診し、食事療法や運動療法、必要に応じた薬物療法の検討を行うことが重要です。
健康診断の結果を、生活習慣病全般の予防に向けた重要なサインとして捉え、適切な管理に努めてください。
腎機能:クレアチニン(Cr)・尿素窒素(BUN)・推算糸球体ろ過量(eGFR)
腎機能検査では、血清クレアチニン(Cr)、尿素窒素(BUN)、およびeGFR(推算糸球体ろ過量)を総合的に評価し、腎臓の排泄能力を判定します。
クレアチニンは筋肉の代謝産物であり、腎臓の糸球体でろ過されるため、血中濃度の上昇は糸球体ろ過量の低下を示唆します。また、尿素窒素はタンパク質の分解物であり、腎機能低下のほか、脱水やタンパク質の過剰摂取によっても変動します。
現在、腎機能の最も正確な指標として用いられるのがeGFRです。これはクレアチニン値に年齢と性別の補正を加えたもので、60mL/分/1.73㎡未満の状態が続く場合は慢性腎臓病(CKD)が疑われます。
腎機能の低下は高血圧や糖尿病とも密接に関連しており、放置すると心血管疾患のリスクも高まります。健診結果で判定が基準を外れている場合は、速やかに専門医を受診し、尿検査の結果と併せて詳細な診断を受けることが重要です。
肝機能:ビリルビン・AST(GOT)・ALT(GPT)・γGTP・ALP・アルブミン
肝機能検査では、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、ALP、ビリルビン、アルブミン等の項目を総合的に分析し、肝細胞の損傷や胆道系の異常を評価します。
ASTとALTは肝細胞内に存在する酵素で、細胞の炎症や壊死によって血中に流出するため、肝炎や脂肪肝などの指標となります。特にALTは主に肝臓に存在するため、肝特異性が高いのが特徴です。
γ-GTPやALPは、胆汁うっ滞やアルコール性肝障害、薬物性肝障害において上昇しやすく、これに総ビリルビンの数値を加味することで黄疸の有無や胆管系の閉塞を確認します。
また、アルブミンは肝臓の合成能を反映する指標であり、数値の低下は長期的な肝機能の低下(肝硬変など)や栄養状態の悪化を示唆します。これらの数値に異常が見られる場合は、ウイルス性肝炎や脂肪肝(NAFLD/NASH)などの可能性も考慮し、速やかに腹部超音波検査や精密な血液検査を受けることが推奨されます。
